外国人労働者の安全衛生の確保、労働・社会保険の適用等
1.安全衛生の確保
(1)安全衛生教育の実施
労働者安全衛生法等の定めるところにより安全衛生教育を実施するに当たっては、母国語等を用いる、視聴覚教材を用いる等、当該外国人労働者がその内容を理解できる方法により行うこと。特に、使用させる機械等、原材料等の危険性または有害性およびこれらの取扱方法等が確実に理解されるよう留意すること。
(2)労働災害防止のための日本語教育等の実施
外国人労働者が労働災害防止のための指示等を理解することができるようにするため、必要な日本語および基本的な合図等を習得させるよう努めること。
(3)労働災害防止に関する標識、掲示等
事業場内における労働災害防止に関する標識、掲示等について、図解等の方法を用いる等、外国人労働者がその内容を理解できる方法により行うよう努めること。
(4)健康診断の実施等
労働安全衛生法等の定めるところにより、健康診断、面接指導および心理的な負担の程度を把握するための検査を実施すること。【*1】
(5)健康指導および健康相談の実施
産業医、衛生管理者等を活用して健康指導および健康相談を行うよう努めること。
(6)母性保護等に関する措置の実施
女性である外国人労働者に対し、労働基準法、男女雇用機会均等法等の定めるところにより、産前および産後休業、妊娠中の外国人労働者が請求した際の軽易な業務への転換、時間外労働等の制限、妊娠中および出産後の健康管理に関する措置等、必要な措置を講ずること。
(7)労働安全衛生法等の周知
労働安全衛生法等の定めるところにより、その内容について周知すること。その際には、外国人労働者の理解を促進するため必要な配慮をするよう努めること。【*1】
【*1】の事項については、母国語その他の当該外国人が使用する言語または平易な日本語を用いる等、外国人労働者が理解できる方法により説明するよう努める必要があります。
2.労働・社会保険の適用等
(1)制度の周知および必要な手続きの履行等
労働・社会保険に係る法令の内容および保険給付に係る請求手続き等について、外国人労働者が理解できる方法により周知に努めること。また、労働・社会保険に係る法令の定めるところに従い、被保険者に該当する外国人労働者に係る適用手続き等必要な手続きをとること。【※2】
外国人労働者が離職したときは、遅滞なく被保険者証を回収するとともに、国民健康保険または国民年金の適用の手続きが必要になる場合はその旨を教示するよう努めること。
健康保険および厚生年金保険が適用にならない事業所においては、外国人労働者およびその家族が適切に国民健康保険および国民年金の適用の手続きが行えるよう、必要な援助を行うよう努めること。
労働保険の適用が任意の事業所においては、外国人労働者を含む労働者の希望等に応じ、労働保険の加入の申請を行うこと。
(2)保険給付の請求等についての援助
外国人労働者が離職する場合には、雇用保険被保険者離職票の交付等、必要な手続きを行うとともに、失業等給付の受給に係る公共職業安定所の窓口の教示その他必要な援助を行うよう努めること。
労働災害等が発生した場合には、労働災害補償保険の給付の請求その他の手続きに関し、外国人労働者やその家族等からの相談に応ずること。加えて、必要な援助を行うよう努めること。
外国人労働者が病気、負傷等(労働災害によるものを除く)のため就業することができない場合には、健康保険において傷病手当金が支給され得ることについて、教示するよう努めること。
傷病によって障害の状態になったときは、障害年金が支給され得ることについて、教示するよう努めること。
公的年金の被保険者期間が一定期間以上の外国人労働者が帰国する場合、帰国後に脱退一時金の支給を請求し得る旨帰国前に説明するとともに、年金事務所等の関係機関の窓口を教示するよう努めること。
《参照》厚生労働省ホームページ抜粋