名古屋市は2024年夏にも、外国人材を初めて雇用する介護事業者に初期費用となる渡航費や講習費を支援する制度を始める。技能実習生などを雇う際にかかる負担を軽減することで、海外人材が就労できる事業所の裾野を広げる。技能実習制度に代わり創設される「育成就労」で外国人の就労が増えると見込まれ、介護現場の人手不足の解消を目的とする。
名古屋市が創設する制度は外国人の雇用にかかる費用を4分の3まで支給する。上限は55万円と設定する。渡航費や研修などを含めると初期費用は平均額70万円ほどで。通常は事業所が負担する。雇用経験のない事業所からは「初期投資は安くなく、定着するのか不安もある」といった声もあって外国人介護士雇用を躊躇されていた。
名古屋市は新制度の対象として、「特定技能」の在留資格を持つ外国人や外国人技能実習生、経済連携協定(EPA)に基づく介護福祉士候補者などを見込んでいる。介護現場で働く際に最初にかかる渡航費やビザ申請費などを補助する。健康診断費や居住費での活用も想定する。